図1に示した2つのDonor-σ-Acceptor型両性イオン分子は,スルーボンド的な相互作用が支配的なモデルである。
Finite Field法による超分極率βの計算によれば、HFレベルの計算に比べて電子相関の効果を考慮したMP2計算では、モデル1ではβ値が著しく増大し、一方モデル2ではβ値はほとんど変化しないことが報告されている
※.
※Sanyasi Sitha, et. al. J. Phys. Chem. A,
105, 8727-8733 (2001).
モデル1はN=C二重結合をもつため、π-σ相互作用がHFレベルで表現できていないことがその増大の理由として考えられるが,π-σ相互作用と電子相関効果の関係を定量的に確かめる方法が従来なく,今回TS/TB解析法を適用した。